お客様は神様です。

お客様は神様です。9

しばらく老人の幸せな時間と同時に僕の苦痛の時間がつづいていた。 小さな老人は一口一口が少ない。料理も老人にとってみれば大食い自慢たちが挑んでいる”食べきればタダ”になる量に等しいだろう。 何口も食べているのに一向に減っていないような錯覚すら...
お客様は神様です。

お客様は神様です。8

テーブルの上には、おいしそうな料理が置かれていた。ナポリタンとサラダとカツが一枚の皿に盛り付けられている。 僕のゴタゴタがあったので、少し料理が冷めてしまったかと心配をしたが、まだ料理からは湯気が立っている。実においしそうで、見ているだけで...
お客様は神様です。

お客様は神様です。7

手招きして呼ぶ小さな老人の元へ僕は急いだ。こんなヘコヘコしている所は、誰にも見られたくない。しかし、ここは現実なのか幻想なのかわからない空間で、僕の知る限りでは、ここにいるのは小さな老人と、メイド服を着た店員と、おそらく厨房で料理を作ってい...
草助ブログ

絶対などこの世にないのだ。

「必ず」や、「絶対」などこの世に存在しない。 その証明として、今日は絶対に書くと言っていたストーリーの続きを書けません。 ごめんなさい。 最近はパソコンでの執筆がすごく調子がよく、リズム良く書けているので作品の質にも影響が出てくると思うので...
草助ブログ

今日は、疲れたので通常ブログでご勘弁。

「お客様は神様です。」は、本日はお休みいたします。楽しみに待っておられた方には申し訳ございません。 明日は、必ず続きをお書きしますので、しばしの休息をお願いいたします。 本日は、通常のブログになります。 今更ですが、冬タイヤに交換したり、本...
お客様は神様です。

お客様は神様です。6

「なんじゃい、猫か。」と老人は少しがっかりとした口調で呟いた。意外にも猫の鳴き声で誤魔化せたことに驚きながらもすごくほっとした。 そうこうしていると、メイド服を着た店員がシルバートレイに出来立ての料理を乗せ、老人のテーブルに向かうところだっ...
お客様は神様です。

お客様は神様です。5

老人は、メイド服を着た店員に何かを注文していたが、声が小さくてよく聞こえなかった。 注文を受けた店員はそそくさと厨房へと戻っていったが、僕はまだ動けないでいた。 僕は手と膝を床につけた四つん這い状態で顔を少しだけ柱から出し聞き耳を立てている...
お客様は神様です。

お客様は神様です。4

やはり死の恐怖はある。得体のしれないものや状況を感じると無意識に身を潜めたり心臓が恐怖を強い鼓動で知らせてくる。本能とも呼べるものだろうか。 それは訓練をしていれば克服できるものだが、訓練をしていたとしても無駄なこともあるだろう。 まして、...
お客様は神様です。

お客様は神様です。3

すると、コツコツと音がなる先で別の音がした。 「ジリリリリリーン、ジリリリリリーン」 今度ははっきりと聞こえた。 そして何の音かもわかった。昔、おじいちゃんの家で聞いたことがある古い電話の音だと思った。 そう思った次の瞬間に電話の音が止まり...
お客様は神様です。

お客様は神様です。2

しかし変だ。幻など本当にあるのだろうか。しばらく綺麗でもないくすんだ天井を見上げながら考えていると、「チーン!」という音が聞こえた。 僕は、意味の分からない状況の中で混乱していたが十分に考える事ができるほどあたりは静まり返っている事に気が付...